冬が終わると、みんな、わらわらと夜の赤倉に繰り出す。
行く先は「うどんの歩」。
食すは「イカ墨うどん」。
冬の間は各宿のお客様でごった返し、
あ、どもども、
なんて挨拶も煩わしいもんだし、
にっこり笑ったはずの口元は
歯も唇もまあぁーっ黒。
なんてことを避けるため、通う奥様、お嬢様方の
何と多いことでしょう。
見た目と裏腹に、あっさりとして
出汁がきいたおつゆは、最後の一滴までいただけます。
今夜もMりちゃんに誘われ、
紙エプロンをいそいそ首に巻くワタシ・デ・アール。