いったい、いつ以来の雨だろう。
8月3日、赤倉の祭りの夜、
子供太鼓が呼んだ奇跡のような雷雨。
たった30分だったけれど、村中が安堵のため息と
祈りに似た思いで見つめたあの雨。
それはひと月以上まとまった雨のない、日照りの夏を過ごしていた私たちに
心の潤いを与えてくれた夜の雨だった。
そして、昨夜から降り始めた雨は豪雨となり、
新潟県内のあちらこちらに災害級となる雨になってしまっている。
自然の前に、私たちはあまりにも無力で、小さい。
山々は雨水をその身に貯め、木々は生気を取り戻すだろう。
大地は干された地の熱を冷やし、生き物たちは息を吹き返すだろう。
日々のことに追われ、忙しすぎる私たちは
いったい何を置いてきてしまったんだろう。
降りやまぬ雨を見つめながら、
後回しにしてきてしまったことをもう一度考える。
10時、玄関の温度計は22℃を指す