先日出版された写真集が届いた。
70’HARAJUKU
この頃小学生だった私は、
大きな休みのたびに遊びに行っていた従妹の家から
ブタの貯金箱に貯めたお金を小さな鞄に入れ、
3歳年上の従妹と、キディランドに行くのが、なにより楽しみだった。
大きな買い物なんでできないから、
シールや、鉛筆や、ノートくらいだったけど
田舎の小学生には、ビル全体が、宝箱のようにキラキラ光っていた。
この写真集の後半の時代は、代ゼミ原宿校に通いながら
サーティンワン、ヘンリーアフリカ、バンブー、カフェドロペ、ゼストは
私たち仲間のお茶の間だった。
ケータイ電話がない時代、約束がなくても、どこかに行けば仲間に会えた。
卵の黄身色のシビックに乗る、かっこいいオネーさんや、
ビリヤードが上手な、長髪のオニーさんを横目に目ながら
いつか自分もあんなふうになれるのかしら、と
心ときめかせた時代。
期せずして、友人の若い頃の写真を見つけて
なぜか胸が詰まった。
私の体を、70年の風が、吹きぬけていった気がした。
秋の初めの週末に、元気を頂いた本でした。
しばらくは図書室に置かず、フロント前の火鉢のところに置いておきます、
どうぞ、お風呂上りに、手にとってご覧ください。