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若女将のアボカド通信

アーカイブ:2015年7月6日

宵のお散歩、蛍に会いに

普段、夕食後に出かけることなど、会議以外めったに無いシャチョーが

珍しく玄関に向かうので、声をかけると

「裏に蛍が出ているらしいから、見に行く」という。

 

あわてて上着を引っ掛けてついて行ってみれば

うっすら霧も出ていて、路地は心細いほどほの暗く

今年新調した朱いのぼりが揺れている。

ほんとかなぁ、と、とぼとぼ歩いていくと

お稲荷さんに登る階段も見えない闇。

 

「どこにいるの」と声をかけると、境内の中ほどに進んでいる様子。

どう?と、声をかけながら行くと

目の前はまるで幻想の中。

 

小川に沿って、光が浮遊している。

人口の光とは全く違う、緩やかな点滅が

足元から、目の高さまで、いや、ひとつふたつはもっと高く。

その数、ゆうに100以上、

手を伸ばせば、その指先をかすめ、光が飛んでいる。

 

声をだせば、消えてしまいそうな淡い光に

感嘆の声も飲み込み、しばし、佇む。

 

いろいろな条件が重なってのことなので

いつも見られるとは限らないけれど、

宵のお散歩、蛍に会いに、

どうぞ、皆さま、お出かけになってみてください。

 

 

 

 

 

 

 

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